歯科レントゲン画像で何がわかるのか?【画像診断の必要性】

コラム200201
石塚歯科医院院長
院長

こんにちは、大和市鶴間駅西口すぐの歯医者、石塚歯科医院 院長・石塚です。今回はレントゲン撮影でわかることとレントゲン撮影の必要性について取り上げます。

歯科レントゲン画像で何がわかるのか?レントゲン撮影は必要なのか?

歯医者に行った時に歯科医師に「レントゲンを撮影して確認しましょう」と言われたことはありませんか?そんな時、患者さんの心情としては「本当にレントゲン撮影が必要なの?出費が増えるなぁ」と思うことがあるかもしれません。
そこで今回はレントゲン撮影でわかることとレントゲン撮影の必要性を解説します。

歯科レントゲン画像で何がわかるのか?レントゲン撮影は必要なのか?

今回の記事はこんな方にお勧めです

  • 歯科レントゲンで何がわかるかを知りたい方
  • 通院時にレントゲン撮影が必要と言われて本当に必要か疑問を感じた方
  • 歯医者で画像の説明を受けてもいまいちピンとこない方

今回の記事でわかること

  • レントゲンの原理
  • レントゲンの種類
  • どのような場合にどんなレントゲンを使うのか
  • なぜレントゲンを用いた画像診断が必要なのか

レントゲンとは?

レントゲンの原理
レントゲン画像

医科のみならず歯科レントゲン撮影は広く行われています。病院に行ってレントゲン撮影画像を見たことがある方はイメージしやすいかもしれません。
レントゲン撮影はX線撮影とも呼ばれています。

レントゲンの原理

まずは原理を簡単にご説明しましょう。
X線照射装置からX線が放出され、体を通過します。X線の透過率の違いにより、X線が通過した部分は黒く、通過しない部分は白く映ります。この濃淡の違いを映しだしたのがレントゲン画像です。

歯科レントゲンで白く映るもの

レントゲンでは、以下のようなものが白く映ります。

  • 歯牙
  • 薬剤や金属などの人工物

歯科レントゲンで黒く映るもの

レントゲンでは、以下のようなものが黒く映ります。

  • 皮膚
  • 筋肉
  • 脂肪

レントゲンの種類

歯科医療ではレントゲン撮影が頻繁に行われます。一口にレントゲンと言っても、その用途に合わせて大きく分けて3種類あります。

ここからは、それぞれの機器の解説をその用途と併せてご説明します。

デンタルレントゲン

デンタルレントゲンはごく小さい範囲を撮影する機器です。

デンタルレントゲン
デンタルレントゲン装置

デンタルレントゲン撮影の特長

デンタルレントゲン撮影
デンタルレントゲン撮影

3~4本の歯牙を画像として映しだします。約4cm×約3cmのデンタルフィルムと呼ばれる小さなプレートをお口の中に入れ、外側からX線を照射します。

デンタルレントゲン撮影で何がわかるのか?

デンタルレントゲン撮影は、以下のような場合に行われます。

これらを詳しく解説していきましょう。

虫歯の進行状態の確認

まずは目視でお口の中の状態を確認します。この時、虫歯等の状態も確認しますが、目視だけでは虫歯があるのか、どの程度進行しているのかを正確に判別することはできません。そこでデンタルレントゲン画像を用いて確認します。

虫歯の進行状態を確認したデンタルレントゲン画像
下顎左側第二小臼歯の虫歯のレントゲン画像
下顎左側第一大臼歯の虫歯のデンタルレントゲン画像

デンタルレントゲンで撮影した画像から、下顎左側第一大臼歯の近側の虫歯が確認された(黄色で囲んだ部位)画像です。

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根管治療

根管治療全般においてデンタルレントゲン撮影を行います。デンタルレントゲン画像には細い根管が映し出されます。
特に、お薬が根尖まで充填されたかという治療プロセスを知る上で重要です。

根管治療のプロセスを確認したデンタルレントゲン画像
根管治療のレントゲン画像
根管充填後のデンタルレントゲン画像

デンタルレントゲンを撮影し、歯の根の先までお薬が充填したかを確認した(黄色の矢印で示した部位)画像です。

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歯周病の進行状態の確認

デンタルレントゲン画像では歯槽骨の吸収具合を知ることができます。歯周病が進行すると歯槽骨が吸収してしまいます。このことから歯周病の進行度合を知ることができます。

歯周病の進行状態を確認したデンタルレントゲン画像
歯槽骨の吸収具合を確認した画像
歯槽骨の吸収具合を確認したデンタルレントゲン画像

デンタルレントゲンで撮影した画像から、歯槽骨の吸収具合を確認した(黄色で囲んだ部位)画像です。

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パノラマレントゲン

パノラマ=広々とした眺望という英語の意味にもあるように、広い範囲を撮影する機器です。
当院の装置は一台でパノラマ・CT 撮影ができます。

パノラマレントゲン
パノラマレントゲン

パノラマレントゲンの特長

顎関節や一部の鼻の骨が写し出されたパノラマレントゲン画像
顎関節や一部の鼻の骨が写し出されたパノラマレントゲン画像

全顎を撮影することができます。顎関節や一部の鼻の骨も映し出されます。
患者さんの頭の周りを装置が素早く、ぐるっと回ります。撮影された画像は左右が逆になっています。

パノラマレントゲン撮影で何がわかるのか?

パノラマレントゲン撮影は、以下のような場合に行われます。

これらを詳しく解説していきましょう。

お子さんの歯の生え変わりの状態を確認

永久歯がなかなか生えてこないと心配される場合は、パノラマレントゲン撮影を行います。
永久歯がまだ生えていなくても、歯槽骨や歯肉内に歯牙が確認できれば、時間の経過と共に自然に萌出すると診断します。反対に、歯槽骨や歯肉内に歯牙が確認できなければ、先天性欠如歯と診断します。

先天性欠如歯を確認したパノラマレントゲン画像
先天性欠如歯が明らかになったパノラマレントゲン画像①
先天性欠如歯が明らかになったパノラマレントゲン画像①
先天性欠如歯が明らかになったパノラマレントゲン画像②
先天性欠如歯が明らかになったパノラマレントゲン画像②

パノラマレントゲンで撮影した画像から、永久歯の元となる歯胚が確認されず、先天性欠如歯が明らかになった(黄色の矢印で示した部位)画像です。

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埋伏過剰歯や埋伏歯の確認

埋伏歯とは、歯牙の一部又は全ての歯牙が顎の骨や歯肉に埋まったままの歯のことを言います。歯牙が埋まった状態では目視で確認できないため、パノラマレントゲン撮影を行い、全顎画像から埋伏歯の有無を確認します。

埋伏歯を確認したパノラマレントゲン画像
埋伏歯を確認したパノラマレントゲン画像
埋伏歯を確認したパノラマレントゲン画像

パノラマレントゲンで撮影した画像から、埋伏歯を確認した(黄色で囲んだ部位)画像です。

親知らずの抜歯の有無の診断

親知らずの萌出方向や周囲の歯牙との関係を知るためには、口腔全体を撮影するパノラマレントゲンを撮影します。この画像から、親知らずを抜歯した方がよいのか、そのままでもよいのかを診断します。

親知らずの萌出状態を確認したパノラマレントゲン画像
親知らずの萌出状態を確認したパノラマレントゲン画像
親知らずの萌出状態を確認したパノラマレントゲン画像

パノラマレントゲンで撮影した画像から、親知らずの萌出状態を確認した(黄色で囲んだ部位)画像です。

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多数歯の虫歯の進行状態の確認

1~2本の歯をターゲットとした虫歯の診断にはデンタルレントゲンが向いていますが、複数歯の虫歯の状態を確認するには全顎を撮影するパノラマレントゲンが向いています。

多数歯の虫歯の進行状態を確認したパノラマレントゲン画像
多数歯の虫歯の進行状態を確認したパノラマレントゲン画像
多数歯の虫歯の進行状態を確認したパノラマレントゲン画像

パノラマレントゲンで撮影した画像から、親知らずの萌出状態を確認した(黄色で囲んだ部位)画像です。

全顎的な歯周病の進行度合いの確認

お口全体の歯周病の進行度合い、歯槽骨の吸収度合を確認するには全顎を撮影するパノラマレントゲンが向いています。

歯科用3次元CT

デンタルレントゲン、パノラマレントゲンは二次元画像ですが、歯科用3次元CTは三次元の立体画像が得られます。

歯科用3次元CT
歯科用3次元CT

歯科用3次元CT撮影で何がわかるのか?

歯科用3次元CT撮影は、以下のような場合に行われます。

これらを詳しく解説していきましょう。

親知らずの抜歯

パノラマレントゲン画像で親知らずを抜歯した方がよいと診断した後、顎骨内にある神経との位置関係を正確に知るために、歯科用3次元CT撮影を行います。二次元ではっきりしない歯牙と神経の位置関係を三次元画像によって様々な角度からの断層画像で正確に知ることができます。

根尖病巣の広がりの確認

2次元のレントゲン撮影では、根の位置をはっきりと確認できない場合があります。そこで、歯科用3次元CT撮影を行うことにより、様々な角度から病巣を撮影し、病巣の立体的な位置を確認します。

埋伏歯の位置の確認

パノラマレントゲンでも埋伏歯の位置を確認できますが、より立体的な位置情報を獲得するために歯科用3次元CTを用いた撮影を行います。

画像診断は保険がきくの?

患者さんの中には、画像診断の費用について気になる方もいっらしゃると思います。歯科治療は保険診療と自由診療に分けられており、保険診療は厚生労働省により細かく定められています。
また、この制度は定期的に改正されます。

保険診療内の画像診断の基本的な考え方

画像診断は、以下のルールに則っています。

各種の検査は、必要な検査項目を選択し、段階を踏んで、必要最小限の回数で実施する。

保険診療の理解のために【歯科】平成30年

画像を用いた診断と治療の流れ

1. 問診・視診

問診を行い患者さんの主訴を伺い、お口の中の状態を確認します。この時に、画像撮影が必要かどうかを歯科医師が判断します。
画像診断が必要と判断した場合は、患者さんにご説明し画像撮影の同意を頂きます。

 

問診・視診

  

2. 画像撮影、診断

画像撮影、診断

疑われる症状から考えられる疾患を確定するため、画像撮影を行います。患者さんの主訴、視診と得られた画像から、診断を行います。

3. 治療計画の説明・治療

歯科医師の診断を患者さんにご説明します。そして、治療計画や治療方法をご説明し、同意を得られた上で、治療を開始します。

治療計画の説明
治療計画の説明

画像撮影の必要性

患者さんの主訴だけで診断を下してしまうと疾患を見逃してしまう危険性があります。
虫歯治療を例に挙げてみましょう。
「右下の歯が痛む」という主訴の場合、歯科医師としては右下顎のどの歯牙が原因歯かを特定することはできません。そこで画像診断を用いて原因歯を特定します。このように、正確な診断を行う上で、画像診断が必要です。

被ばくが気になる方へ

レントゲンやCTは放射線を用いた画像撮影です。撮影時の被ばくが気になる方がいらっしゃるかもしれません。放射線は地球上に自然に存在しています。また、撮影時の被ばくは短時間でごくわずかな量ですので基本的に被爆の心配はありません。
なお、妊娠中の方や妊娠の可能性がある女性の方は問診時にお伝え下さい。

レントゲンの被爆について
レントゲン撮影の被爆について

必要に応じた画像撮影で正確な診断

これまで述べてきたように、現在の歯科の治療においてレントゲン撮影は欠かせないものとなっています。当院では患者さんの主訴、それに基づく画像の双方向から診断を行います。得られた画像のご説明時にわからないことがあればお気軽にご質問下さい。

必要に応じた画像撮影で正確な診断

当院では問診と必要に応じた画像撮影で慎重に診断を行うよう心がけています。鶴間・大和市・大和市近隣でお口や歯の悩みをお持ちの方は是非石塚歯科医院へご相談下さい。

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