歯の本数が人より少ない「欠如歯」をご存知ですか？お子さんの歯科健診で指摘された、という方もいらっしゃると思います。欠如歯の処置が必要か、悪影響はないかと保護者の方は心配になってしまいますよね。
そこで、今回は欠如歯の症例をご紹介します。

欠如歯は乳歯、永久歯両方に見られますが、乳歯の先天欠如はまれです。一方、永久歯の先天欠如は比較的多く確認されます。
欠如歯が発生する理由ははっきりと明らかになっていませんが、永久歯の先天欠如歯は歯のもととなる「歯胚」がなんらかの理由で作られないために発生します。

永久歯が先天性欠如歯の場合、歯が生え変わらず、乳歯のまま残っています。
お子さんの歯が生え変わり始めたら、生え変わりが1本1本順調に進んでいるか観察して下さい。

乳歯をそのまま残しておく場合、治療は必要ありません。
長く乳歯を残すために毎日のデンタルケアを丁寧に行って下さい。

補綴的治療(義歯、ブリッジ、インプラント治療)で永久歯がない部分を補う処置を行います。
或いは矯正治療で空隙を埋める治療を選択することもあります。
永久歯の先天性欠如が6歯以上の場合、矯正治療は保険適応になります。(2024年10月現在)

ブリッジやインプラント治療を行う場合は大人になってから治療を行う方が望ましいです。
矯正治療はお子さんの歯の生え変わりや顎の成長から治療開始のタイミングを歯科医師と相談した方がよいでしょう。

今回は欠如歯について解説しました。先天性欠如歯は乳歯を保存していても時間の経過と共に治療が必要になる場合もあります。歯の本数に異常がないか知ることが大切です。
一度歯科医院に来院し、画像診断で異常の有無を確認することをお勧めします。